黒人メジャーリーガーの減少については、ジャッキー・ロビンソンDAYの翌日のサンスポやスポニチでも記事として取り上げられていた。
今年の黒人メジャーリーガーの割合は8.2%。過去20年間で最低を記録した。およそ20~30年前には30%近くを占めていたというから、その減少ぶりといったら凄まじい。
いやいや、メジャーリーガーは今でも黒人だらけじゃないかという指摘もあろうかと思うが、メディアを含め巷で言われている「黒人」とはいわゆる”アフリカン・アメリカン(アフリカ系アメリカ人)”のことで、南米出身の選手はこの限りではない。とされている。
例えば今日のレッドソックスvsヤンキース戦のラインナップを見てみよう。ラミレス、オルティス、A-ROD、カノー、アブレイユ、リベラ、みんな肌は黒いが、アフリカ系アメリカ人ではない。
彼らはプエルトリコ、ヴェネズエラ、ドミニカ、パナマ等の出身、及びその血を受け継いでいる選手であり、先の記事で言われている、いわゆる「黒人」には当てはまらない。
ジャッキー・ロビンソンがメジャーデビューを果たしたのを境に、その後ウイリー・メイズ、ハンク・アーロン、レジー・ジャクソンといった幾多の黒人スター選手が誕生した。
彼ら黒人選手がメジャーリーグ全体のレベルを押し上げてきた事は事実であるし、例えば黒人選手の登用に最後まで消極的だったと言われているレッドソックスなんか、早い段階から黒人選手を登用していたら80年以上もワールドチャンピオンから遠ざかることは無かったとさえ言われている。
ところが現状はどうだろう。
確かにゲーリー・シェフィールドやトリー・ハンターのように一線級で活躍している黒人選手もいるが、中々メジャー全体を見渡しても、アイコン的な黒人スター選手を見つけることは難しい。
皆さんもお馴染の、ケン・グリフィーJrやバリー・ボンズを最後に黒人スター選手の譜系が途切れようとしている。
強いて挙げるなら、ナショナルリーグのプリンス・フィルダーやライアン・ハワード辺りはスター候補と言ったところだろう。
もはや黒人キッズの憧れはメジャーリーガーではなく、NBAやNFLのスター選手であると言われている。
だからこそ、ジャッキー・ロビンソンDAYなんかのイベントは、先の偉人の栄誉を称えつつ、「黒人層へのマーケティング活動」の一環として利用されているのだ、という確信的な事実をここで報告したい。
しかし、かつてはメジャーリーグから遠ざけられていた存在の黒人が、今は逆にメジャーリーグを遠ざけていると言う現状は何ともアイロニーである。
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