今回はメジャーリーグ(以下MLB)の売り上げが近年増加の一途を辿っている”理由”を探ろうと思う。
まず、MLBは近年2つの”新しい”収入源を得た。
1つはインターネットによる収入
本ブログでも何度か紹介している、MLB.comの存在。MLBがネット上でいかにタクマシク儲けているかは、また別の機会に話したいと思う。内容が複雑すぎて簡単には説明できないが、ネット上での動画配信、グッズ販売、広告収入等、アナログの時代には無かった収入源がほぼゼロから500億円近くまで成長していることは事実。
2つ目は海外への放映権・知的財産の販売日本はもちろんのこと、台湾、韓国、などのアジアや、ラテンアメリカなど、海外出身選手の活躍に伴い、海外からの興味が集中している。これにより各国への放映権が以前より高い金額で取引されるようになった。同様にライセンシー、スポンサーシップなどの権利ビジネスも、アメリカ企業以外からのオファーも舞い込むようになった。
ここまではあくまでも「外的要因」だが、単純に最も売り上げ増に貢献しているのは「チケット収入の増加=観客動員数の増加」に他ならない。
昨年のMLBの総観客者数は7950万人を記録し過去最高。こちらも近年増加の一途を辿っている。
これはヤンキースやレッドソックスのような一部の人気チームだけでなく、”中流チーム”のガンバリによるものが大きいと言われている。例えばホワイトソックス、タイガース、インディアンス、アスレチックス、ロッキーズ、フィリーズのようなチームが観客動員数を”底上げ”している。
昨今の新球場建設ラッシュによって、完成した新しいスタジアムが客の足を呼び寄せたことは間違いないし、各チームが知恵を振り絞り、チケットセールスの努力をしていることも事実。
しかしチームの集客にとって最も大切なことは、ファンと共にプレーオフ進出、そしてワールドチャンピオンを最後まで諦めずに目指すことが出来るかどうか。
恐らく競技や洋の東西を問わず、そのリーグや団体がファンの興味を継続して引きつける為には「戦力の均衡化」というのが一つの大きなテーマになると思う。例えば最近のパ・リーグなんかそれに近いものを感じるハズ。
MLBの場合。2000年以降でポストシーズン(プレーオフ)に出場したチームは30チーム中、21チーム。内、ワールドシリーズ出場は12チーム。毎年確実に違うカードが実現している。
ここ数年は一部のいわゆる強豪チームや人気チームだけでなく、かつてはお荷物球団と言われていたタイガースやロッキーズ何かもワールドシリーズに駒を進め、評論家の度肝を抜いた。
もはやワールドチャンピオンのチャンスは、どのチームにもあると言っても過言ではない。(それでも一部の下流チームは除いてだが・・・)
戦力の均衡化を図る上では、「完全ウェーバー制ドラフト」と「収益分配制度」の2点が重要なファクターになっている。
「完全ウェーバー制ドラフト」とは要は弱いチームからドラフト対象選手を指名出来ると言うもの。アメリカだって逆指名や希望枠みたいなものがあれば、ヤンキースやレッドソックスに集中してしまうかもしれないが、そうはさせない仕組みを作っている。
「収益分配制度」は簡単に言うと、大きな利益を上げたチームや、年棒を多く払っているチームが、”ゼイタク税”としていったんMLBに収益の一部を徴収され、一方収益の低いチームや、年棒を多く払うことの出来ないチームに再分配されると言うもの。
例えば昨年のリーグチャンピオンシップに進出した4チーム(レッドソックス、インディアンス、ロッキーズ、ダイアモンドバックス)のうち、レッドソックス以外の3チームは「もらう側」のチームであった。この点からも同制度が戦力の均衡化に一役買っていることを裏付けることが出来る。
そもそも何故バド・セリグが戦力の均衡化(=弱くて貧乏なチームの救済・活性化)に尽力しているかと言うと、彼は元々弱小貧乏球団ミルウォーキー・ブリューワーズのオーナー経験者だったから。と言われている。弱者の気持ちが分かる故の措置を取ってきたが、一方ではただの”エコ贔屓”だという批判もある。
また、「収益分配制度」によって分配されてきたお金を「もらう側のチーム」がどう使うかは、各々のモラルに任されている部分が有り、例えばあるオーナーなんか選手の年棒に還元せず、こっそり自分のフトコロに入れてしまっているというウワサもある。
ファンとしてはこの辺りの部分もシッカリ監視していく必要があると思う。
いずれにしろリーグ全体が盛り上がっており、世界中から集まるカネと、球場に押しかける客の入場料によって、スター選手の年棒が高騰していく状況は今後暫く続いていくというだろうと言うワケである。
1 件のコメント:
デカ、希代の吉原好き、野間口を特捜してください。
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