2012年11月16日金曜日

独断と偏見で選ぶボールパーク 『ランク圏外/西地区編』

圏外/オードットコー・コロシアム
 - ホーム :オークランド・アスレチックス
 - オープン:1966年
 - デザイン:Skidmore, Owings and Merrill
 - 収容人数:35,067人




ご存じ”メジャー最低の球場”。元々の名称「オークランド・(アラメダ・カウンティ)コロシアム」から、1998年のネーミングライツ販売以降、「ネットワークアソシエイツ・コロシアム」、「マカフィー・コロシアム」、「オーバーストックドットコム・コロシアム」、「オードットコー・コロシアム」と落ち着かない。

球場周辺のコンビニやガソリンスタンドのキャッシャーは鉄格子で囲われており、この街に来た事さえ後悔させる。あまりの治安の悪さに客が寄りつかないため、近年本拠地のフリーモントへの移転を試みており、「シスコ・フィールド」なる新球場の設計図まで出来てたのに計画はとん挫中。

球団がケチな為か、球場スタッフの数が極端に少なく、大概どの席も座り放題。ただ、敢えて2階席に陣取りカリフォルニアの夕暮れをゆっくり拝むのが自分流。色んな意味で哀愁が漂ってくる。




圏外/ドジャー・スタジアム
 - ホーム :ロサンゼルス・ドジャース
 - オープン:1962年
 - デザイン:Praeger-Kavanaugh-Waterbury
 - 収容人数:56,000人




かつては「全米一美しい球場」と讃えられた時期もあったが、気づけばボストンのフェンウェイ、シカゴのリグリーについでメジャーリーグで3番目に古い現役球場となってしまった。球場改修は度々行われているものの、辛気臭さをぬぐえないまま老いていく印象を受ける。来季よりオーナー陣が一新されることで、今後の方向性に変化が起こる可能性があり、注目したい。

2011年の開幕戦では駐車場でファンが暴行を受け、意識不明の重体となる悲しい事件が起こったが、このような悲劇が二度と起こらないよう警備も徹底して頂きたいところ。名門・人気チームにしてはチームストアがショボい点も残念。最近マイナーチームでももっと充実してまっせ!とゲキを入れたくなる。

初心者にはお薦めしないが、チケットは駐車場をウロついてるダフ屋と交渉すると、意外な出物にあり付ける可能性大。




圏外/レンジャース・ボールパーク・イン・アーリントン
 - ホーム :テキサス・レンジャース
 - オープン:1994年
 - デザイン:David M. Schwarz Architectural Services, Inc.
 - 収容人数:48,194人




ココもネオクラッシック型ボールパークの典型だが、シアトルのセーフコ同様HOK作品では無い。近年には珍しくなった大箱球場で、何もかもがデカいテキサスならでは!と言いたいところだが、意外に場内は圧迫感がある。

外野スタンドはレフト、ライトそれぞれ2-3階席まであり、センター後方には球団事務所や貸しオフィスが入居しているビルがそびえたっている。どうせ周りに何にもないんだから、個人的にはもっと開放感のあるデザインが良かったのだが。

あと、何故か場内売店のアルコール販売のレギュレーションが異常に厳しく、在米IDを所持していないと(日本国籍パスポートは通用しない)この歳でビールの販売を断られるケースが多々ある。そういう時はスタンドを練り歩いてる売り子の兄ちゃんにチップを多めに渡して融通してもらおう。

来季はネーミングライツを売って球場名が変わってるかも。




圏外/チェース・フィールド
 - ホーム :アリゾナ・ダイアモンドバックス
 - オープン:1998年
 - デザイン:Ellerbe Becket
 - 収容人数:48,633人





世界初の開閉式天然芝球場。通常であれば悪天候や寒さからプレイヤーやファンを守るため球場には屋根が設置されるが、ココは真逆。修羅の如く照りつけるアリゾナの太陽から身を守るため、晴天時にクローズされるケースがほとんど。

右中間にはマイナー球場のアイディアをそっくりパクったプール&ジャグジーが設置されており、美女が水着でWOW~というケースもしばしば。シャイな日本人には敬遠されかねない商品だが、未だにソールドアウトを続けている人気企画である。

ただしアリゾナに行く機会があれば、個人的にはココよりもフェニックス近郊のユニークなボールパーク達をチェックしてもらいたい。スコッツデール、キャメルバック、ピオリア、サプライズ、グッドイヤーなど、スプリングトレーニングサイトとしても有名な施設が半径数十キロ以内にゴロゴロ転がっているので、車を借りてボールパークお遍路の旅に出かけられてはいかがだろうか。あなた好みのマイナー球場が見つかるハズよ。




圏外/ミニッツメイド・パーク
 - ホーム :ヒューストン・アストロズ
 - オープン:2000年
 - デザイン:HOK Sport(現Populous)
 - 収容人数:40,981人




”世界初のドーム球場”として人類に多大なるインパクトを与えた先代のアストロ・ドームと比べると、どうしてもかなり影が薄い印象。ココも開閉式の屋根を採用しているが、ほぼ同級生のセーフコと比べると、ハコ庭的圧迫感は否めない。

センター後方のフィールド内に「タルズ・ヒル」と呼ばれる丘があり、かつてシンシナティの本拠地であったクロスリー・フィールドの形状を模したらしい。またかつてのヤンキー・スタジアムやタイガー・スタジアムを模して、フラッグポールが何とフィールド内に立てられている。嗜好を凝らすのは結構だが、当然プレーの邪魔になることは請け合いで、選手からのクレームにより、来季から撤去されることになっている。

また球団自体もオーナーの交代を経て、来季からはリーグを変えア・リーグ西地区に移転し、マリナーズとビリ争いを繰り広げる予定。




圏外/ペトコ・パーク
 - ホーム :サンディエゴ・パドレス
 - オープン:2004年
 - デザイン:HOK Sport(現Populous)
 - 収容人数:42,445人





ペトコと言えば、第1回WBC準決勝で韓国のキム・ビョンヒョンから、代打・福留が右中間に放った特大ホームランが印象的。ただ通常はメジャー30球場中でも屈指の”打者墓場”として有名。

ココも例によってHOKの中期作品で、ネオクラシックの流れを大いに汲んでいるものの、白い鉄骨やネイビーの座席を採用し、サンディエゴらしいマリンテイストを意識した雰囲気。レフトにはウェスタン・メタル・サプライ社の築100年にもなるビルディングをそのまま利用し、さながらオリオール・パークの二番煎じ的な要素も見受けられる。外野にはメジャーでは珍しい芝生席と、ビーチをイメージした砂場が広がっており、カリフォルニアの解放感をまんま表現した好球場。

そう、確かに良い球場なのだが個人的な思い入れも特に無く、今回惜しくもランク外とさせて頂いた。サンディエゴ・シーワールドでシャチには挨拶しておこう。

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