今回は目に見えて、分かりやすい部分について話を。
③LEDリボンボード、スイートルームエリアの新設
LEDとスイートの新設は常套手段である。洋の東西を問わず、古い球場・スタジアムが改修を施す際には必ずここをイジる。最近だとトロントのロジャースセンター、アナハイムのエンジェルスタジアム、LAのドジャースタジアムなど。写真は世界のトヨタ@ドジャースタジアムLEDリボンボード。
スイートについてはあまり話が広がらないため、今回はLEDに絞って話をしていきたい。
LEDの映像システムとその仕掛けは今や野球だけにとどまらず、サッカーやバスケットにおいても、不可欠であり、90年代末期以降に立てられたスタジアムはほぼ例外なく設置されている。特に欧州のサッカーなんて見てるとその存在感は抜群である。
じゃあ、どこもなんでそんなにこぞってLEDを設置したがるのかというと、目的は大きく2つ。「エンターテインメント性の向上」と、「広告収入の増大」。LEDには観客を盛り上げるための映像仕掛けと、スポンサー企業のコマーシャルを両方交互に流すのが一般的。
まあ、確かに球場に動きのある映像が飛び交うと思わず気になるし、目を奪われる。問題はそのコンテンツだろう。欧米人はどうしてもセンスの良いグラフィックを作るのがうまいが、いかにクールな映像を製作し、流すことが出来るかがポイントと思う。
また固定の広告を限られたスペースに書いて並べるよりも、映像を流す時間を切り売りした方が、より多くのスポンサーを募ることが出来るのは言わずもがな。また配信時間を調整することによって、広告主に予算に応じたプランも提案できるはず。これにより広告収入の増大を見込むことが出来る。
当初甲子園改修の計画が発表された当時は、日本の球場に初めてLEDリボンボードが登場!なんて鼻息が荒かったものの、その翌年あっさり楽天が宮城球場に新設。今年はロッテが千葉マリンに新設するはず。嗚呼、どんどんフットワークの軽いパ・リーグのチームに先を越されていく。
ちなみにJリーグで初めてLEDを取り入れたのは浦和レッズ。2年ほど前だったと思うが、少なからず業界に刺激を与えたのは間違いない。ただし、いまいちインパクトが無いのは設置場所がゴール裏のみに限定されているから。
サッカーでTV中継時に露出が高いのはバックスタンド側のコートサイド(TV画面向かって正面側、下記写真)だが、Jリーグの場合このスペースはJリーグのオフィシャルスポンサーの広告に与えられる。これはどのスタジアムにおいても同様。 だからスタジアムやチームが勝手にいじくることが出来ない。
一方それぞれチームは自前のチームスポンサーの広告を比較的TV露出の低い、両ゴール裏のスペースにしか設置出来ないのである。見よゴール裏には地元企業の広告が。
ちなみに写真はジェフ千葉の本拠地、フクダ電子アリーナ@蘇我。サッカーはズブの素人のデカだが、このスタジアムは新しく、コンパクトで非常に観戦し易いお気に入りのスタジアムである。
脱線した。
要は、昨今の映像技術の進歩により、音と映像で観客を盛り上げるような仕掛け作りと、収入を増やすような方法をようやく日本の球場やチームも考え始めてるということだ。甲子園に限らず。
得意分野はさすがの深みを感じるぜデカ。勝手に我が輩の頁にリンク張ったのでヨロシコ。
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