そんな中、今月始めにある一つの素晴らしい記録が塗り替えられた。レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークのチケットが456試合連続でSold Outとなり、メジャーリーグの新記録を打ち立てたのだ。
選手個人やチームの記録とは直接関係ないかも知れないが、しかしファンとチームが一緒に作り上げた記録だからこそ、価値のあるモノと言えよう。
2003年5月から足掛け約6年弱!全ての試合のチケットが売り切れ、また昨今のレッドソックスの人気と勢いから、今後も暫くこの記録は続いていきそうだ。
この記録の間、レッドソックスは04年、07年と2度もワールドチャンピオンに輝いており、ファンの後押しが結果として現れている理想的なカタチと言えよう。
さて、ファンが球場にどれくらい足を運んだか?というお題に対して、一般的には「観客動員数」という数値が用いられる。しかしながらフェンウェイ・パークの動員数は、いわゆる”大箱”(収容人数55,000人クラス)を持っているヤンキース、メッツ、ドジャース、カージナルス等には到底かなわない。
しかしながら「観客動員率」という数値に着目してみると、フェンウェイ・パークは実に101%をはじき出しており、全試合フルハウスという結果を実証している。(ちなみに2位はシカゴ・カブスのリグリーフィールドで99%、こちらも驚異的である)。
まあ、フェンウェイやリグリーのような”歴史遺産的”な球場はキャパが小さい(収容人数39,000人前後)ため、動員数で他チームに勝ることはなくとも、動員率が100%前後というのはチケットのプレミア性を生み出し、球団の価値を高めることになる。
「チケットなんかいつでも手に入るべ。」なんてファンに思わせてしまったら終わりなワケで、常にチケットが入手困難。という状況が、余計ファンを球場に足を向かわせることになる。日本で言えば阪神甲子園球場が最もそれに近いカタチとなっている。
ということで昨今の新球場建設ブームの中で、”敢えて小箱球場を作ろう”という動きが活発となり、その結果マーケティング的に成功を収めたチームと球場がある。
それこそがクリーブランド・インディアンスとジェイコブス・フィールド(当時。今年からネーミングライツ契約で『プログレッシブ・フィールド』)であり、レッドソックスに破られるまで、1995年から2001年までの間に、455試合連続Sold Outという偉大な記録を打ち立てたのだ。
以前は「球場やスタジアムは大きければ大きいだけ良い」というような風潮もあったが、観客動員数にとらわれずに、「身の丈にあったキャパで動員率を上げる」という発想。また、観戦環境の快適性・安全性という観点からも、見習うべき点は多々あると思う。
次回はメジャーでも屈指の好球場として知られている、プログレッシブ・フィールドについてハナシを進めて行きたい。
広島市民球場とからめて尊敬する前田智徳について特捜を希望であります,デカ。
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