2008年12月30日火曜日
活動休止
特に深い理由は無いが、年末になってふと考えた。このままちょくちょく更新することは可能は可能なのだが、一度ネタを集め、整理する旅に出かけようと思った。
今後は当分『B級生活研究所』の方でがんばりたい。
しかし、デカがブログを休むからといって、捜査を止めるワケではない。
来年は新ヤンキー・スタジアム、シティ・フィールド、フェンウェイ・パーク等々、まだ訪れたことの無い野球場へ足を運ぼうと今から計画している。
春には第2回WBC、センバツ、待望の新球場が続々とオープン、日米でシーズンが開幕し、また野球三昧の生活が再びやって来るだろう。
世界的に景気が悪化し、暗いNewsばかりの毎日がしばらく続くかもしれない。しかしこんなご時世だからこそ、野球やスポーツが明るい話題を提供してくれることと願っている。
個人的には、またいつか皆さんに面白いおハナシが出来ると確信した時、『野球刑事』を再開できればと考えている。
最後に数少ない読者の皆様に感謝の意を。。。
ありがとう、そして良いお年を!!
2008年12月28日日曜日
野球遺産
球場は駅から徒歩5分程度だが逆方面に進むとすぐに雄大なミシガンの湖畔に辿り着く。大都市の中でのどかなオアシスを発見することが出来る。
リグリー・フィールドの周辺はリグリー・ビル(Wrigley Ville/リグリーの街)と呼ばれており、無数のスポーツバー、レストラン、非公認のスーヴェニアショップ、チケットショップ、周辺の住宅街の屋上には自作の観客席が立ち並び、文字通りこの街の全てはリグリー・フィールドとカブスのために存在しているのだ。
今でもほとんどの試合が昼間に行われる同球場だが、当日は珍しく平日のナイトゲーム。対戦相手はフロリダ・マーリンズと決して好カードとは言えなかったが、それでも試合開始前にこれだけのファンが集まる。
通路やコンコースに人があふれ、立ち見も当たり前。球場外の屋根の上からも多くのファンがカブスに釘付けとなる。ファンは全てのプレーに対しいちいちリアクションをとり、一喜一憂する。 正直カブスファンは過激なあまり、全米中でも良くない評判が多いが、多分彼らはどこのファンよりも真剣に野球を見てるのだ。
そして外野にビジターのホームランボールが飛び込めば一斉に「投げ返せ!!」の怒号が響く。
ココには流行りの派手な映像や音響設備も一切無く、他球場では当たり前となったイニング間のアトラクションや、ファンサービスも一切無い。単純に”野球だけで楽しむ”というリグリーが提起する究極、かつシンプルな難問に対して、ファンはホットドッグと、ビールを食らい、ピーナッツをむさぼりながらゲームにのめり込み、その問いに応えるのだ。
また、球場内でアナウンスされている情報があまりにも少ないため、集中して見てないと、試合展開についていけない。とても21世紀とは思えない哀愁漂うスコア表示灯。
謎にウネり、ツタが絡まる外野フェンス。レンガ造りの内野フェンス、硬くて狭くて座り心地の悪い観客席。視界を妨げる柱や屋根。全てが非合理的だが、同時にこれら全てがこの球場独特の雰囲気を形成する要素となっている。
さすがの大御所、HOKでもこの空間は再現できまい。
きっとこれが”世界最高の野球場”と称えられる所以だろう。昨今のネオ・クラシックではなく、正真正銘のクラシック作品。迷わず野球遺産に認定である。
また野球が好きになってしまった。。。
2008年12月21日日曜日
2008年12月17日水曜日
サウスサイダーズ (その2)
改札を出て、このロゴ入り公衆電話が欲しい・・・なんて思いながら、USセルラー・フィールドはもう目の前。
既に試合は開始しており、急ぎ足で球場に向かう。
通り道にいたダフ屋からチケット購入。
結果的に今年ホワイトソックスは地区優勝を果たしただけに、夏の時点で球場全体が盛り上がりを見せていた。平日のデーゲームだというのに、ほぼ満席でコンコースにまで人がごった返している。
一連のネオ・クラシック球場建設ブームの直前に、プロトタイプ的に作られた本球場であるが、近年のHOKの心憎い演出にいささか慣れてしまった感もあり、改めてココの”シンプルだがクール”な佇まいに改めて敬意を表したい。見よこの美しさ。
完全にシンメトリーなフィールドの形状、至って普通な外野フェンスの作りなど、従来の球場の常識を踏襲しながらも、一方で歯ブラシ型の照明等や、完全オープンコンコースなど、以降の新球場のスタンダードとなるファクターがいくつも取り入れられている。
開場した1991年当時は、最新鋭の設備の球場として注目を集めたが、以降の新球場建設ラッシュの影響も有り、もはやベテランの域に達しつつある。
しかしながら、観客席や、球場の外壁など、数回にわたり改修が施されており、17年目ということを全く感じさせない。
レフト外野席の上層部には子供用のベースボールフィールドや、バッティングセンター、ピッチング的当てゲーム等のアトラクションが充実しており、いずれも今なお人気を博している。
そんなアトラクションを尻目にデカが最も好きなのは、外野コンコースのオープンスペースに設置されているシャワーコーナー。常時シャワーから水が垂れ流されており、ただそれだけ。。。
しかし暑さでモウロウとしている観客が次々に水を浴びに来て、たちまち長い行列を作る。もちろん服は来たままで、びしょびしょになるのだが、そこがいかにもアメリカっぽくてなんかよい。
結局試合は今年突如大ブレイクしたカルロス・クウェンティンの劇的なHRにより、ホワイトソックスがレンジャースに逆転勝利。試合後はBlues Brothersの”Sweet Home Chicago”とともに帰路に向かう。
今シーズン36HRを放ってプレーオフでの活躍も期待されたクウェンティンだったが、9月に自分のバットを拳で殴り、骨折するという何ともアホな形で自ら今シーズンに幕を下ろした。結局チームはクウェンティン不在のままレイズに完敗、ディビジョンシリーズで今季を終えた。
また当日の試合の約1週間後にケン・グリフィーJr.がホワイトソックスに移籍したのだが、ジュニアのシカゴでの雄姿を見逃したことはデカ自身、後年まで悔むことだろう。ツイてなかった。。。
最後にこの素晴らしすぎる球場にケチをつけるとすれば、チームストアがショボいことだ。ソックス党のとしては現地でしか手に入らないような激レアアイテムを物色したいにも関わらず、球場内のチームストアはいずれも品揃えがイマイチ。
しかしそんな時は球場外の『Grand Stand』なるショップに向かいたい。球場から徒歩約10分、チームのオフィシャルストアーではないのだが、独特の怪しい品揃えがマニア心をくすぐる。
一部カブスの商品も扱っているが、基本的にはホワイトソックス中心のラインナップのため、ファンには有り難い店だ。ダウンタウンのどのスポーツショップに入ったって、決まってカブス贔屓の商品ラインナップなのだから。
しかし翌日はホワイトソックスがアウェイに出かけ、カブスがシカゴに帰って来る。てなわけでちょっぴり浮気をし、初めてリグリーを訪れることに決めていたのだ。
サウスサイドから望むダウンタウンの高層ビル郡。
続く。。。
2008年12月10日水曜日
サウスサイダーズ (その1)
生きてます。
色々出かけていただけで。
何となくネタはたまっていても、漠然と何を取り上げようかと決め手が無い日が続いていた。
そんなある日、デカはオバマとの共通点を発見したのだ。 ”ホワイトソックスファン”であるということ。
オバマが熱心なスポーツ・特に野球ファンであり、地元シカゴの(熱狂的な)ホワイトソックスファンであることは既に有名である。
上院議員時代にはホームUSセルラーフィールドで始球式も行っている。
そんなこんなで早くも2016年のオリンピックの候補地の一つ(もちろん東京も候補地)であるシカゴが有利になり、仮にシカゴが選ばれた場合は野球が公式競技に復活するのでは?なんて気の早い憶測もチラホラ聞こえてきている。
一方、大統領予備選挙で対したヒラリー・クリントンも同じくシカゴの出身で、彼女は「カブスファン」を公言していた(ただのリップサービスという推測もあるが)。
まあ、話しの流れ的には当然”そういう構図”になるのだが。
ハッキリ言ってシカゴ市民の(多分)8割以上はカブスファンだし、全米的にもカブスファンの方が圧倒的に多いはずなのだが、敢えてホワイトソックスファンを公言し、レペゼンしてくれたことに僕は感動すら覚えた。
しかしハナシのポイントはソコでは無い。
以前も話したが、南北に広がるシカゴエリアでは、「北のリグリー(カブスの地元)」、「南のコミスキー(ホワイトソックスの地元)」、と呼ばれ、一般的にはファンの生態区域も同様にカテゴライズされている。
一方、これもあくまで一般的なハナシなのだが、ダウンタウンの中心部を挟んで、「北」の地域は知的・生活水準が高いとされており、「南」の方はその逆と認識されている。
確かに両球場の周辺をちょっと歩いただけでも、確かに街の雰囲気の違いは歴然としている。 閑静な住宅街が立ち並ぶリグリービル(リグリーフィールドの周辺をそう呼ぶ)と比べ、USセルラーフィールドの周辺は治安が悪いので、ナイトゲーム終了後はフラつかないように!とガイドブックに注意書きが添えられているほどである。
古くからホワイトソックスのニックネームは『サウスサイダーズ』であり、そこにはヒスパニック、黒人、アジアン等、マイノリティーのコミュニティーが広がっている。
そしてオバマはそういったサウスサイドエリアに密着した活動からキャリアをスタートさせ、今日の成功を掴んだ。
常々ホワイトソックスファンを公言している彼だが、そこに”俺はマイノリティをレペゼンしているのだ”という強い自負と信念を垣間見ることが出来るのだ。
まあいずれにしろ今年は、ホワイトソックス・カブス、両チームともにポストシーズンまでコマを進め、元々野球熱の高いシカゴ市民がさらに盛り上がったことは間違いない。
というわけでそんな熱気の記憶が覚めやらぬうちに、今後数回に渡り再びシカゴの両チーム・球場の魅力についてハナシを進めて行きたい。