久々にホワイトソックスのゲームを堪能した翌日は、同じくレッドラインに乗り20分程度、Addison St.まで北上する。
球場は駅から徒歩5分程度だが逆方面に進むとすぐに雄大なミシガンの湖畔に辿り着く。大都市の中でのどかなオアシスを発見することが出来る。
リグリー・フィールドの周辺はリグリー・ビル(Wrigley Ville/リグリーの街)と呼ばれており、無数のスポーツバー、レストラン、非公認のスーヴェニアショップ、チケットショップ、周辺の住宅街の屋上には自作の観客席が立ち並び、文字通りこの街の全てはリグリー・フィールドとカブスのために存在しているのだ。
今でもほとんどの試合が昼間に行われる同球場だが、当日は珍しく平日のナイトゲーム。対戦相手はフロリダ・マーリンズと決して好カードとは言えなかったが、それでも試合開始前にこれだけのファンが集まる。
通路やコンコースに人があふれ、立ち見も当たり前。球場外の屋根の上からも多くのファンがカブスに釘付けとなる。ファンは全てのプレーに対しいちいちリアクションをとり、一喜一憂する。 正直カブスファンは過激なあまり、全米中でも良くない評判が多いが、多分彼らはどこのファンよりも真剣に野球を見てるのだ。
そして外野にビジターのホームランボールが飛び込めば一斉に「投げ返せ!!」の怒号が響く。
ココには流行りの派手な映像や音響設備も一切無く、他球場では当たり前となったイニング間のアトラクションや、ファンサービスも一切無い。単純に”野球だけで楽しむ”というリグリーが提起する究極、かつシンプルな難問に対して、ファンはホットドッグと、ビールを食らい、ピーナッツをむさぼりながらゲームにのめり込み、その問いに応えるのだ。
また、球場内でアナウンスされている情報があまりにも少ないため、集中して見てないと、試合展開についていけない。とても21世紀とは思えない哀愁漂うスコア表示灯。
謎にウネり、ツタが絡まる外野フェンス。レンガ造りの内野フェンス、硬くて狭くて座り心地の悪い観客席。視界を妨げる柱や屋根。全てが非合理的だが、同時にこれら全てがこの球場独特の雰囲気を形成する要素となっている。
さすがの大御所、HOKでもこの空間は再現できまい。
きっとこれが”世界最高の野球場”と称えられる所以だろう。昨今のネオ・クラシックではなく、正真正銘のクラシック作品。迷わず野球遺産に認定である。
また野球が好きになってしまった。。。
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