打力や投手力を計る上で、打率、打点、本塁打、勝敗、防御率といった、いわゆる”旧来の指標”がアテにならないと考えた、セイバーメトリクスの祖、ビル・ジェームスらは、「OPS」や「WHIP」という新たな指標を提案した。(ちなみにこのおっさんがジェームス)
今となっては「OPS」や「WHIP」という指標はメジャーリーグでもタイトルの一つとして認められているし、もはやセイバーメトリクスという概念を超えて、米国では”一般常識化”している指標である。
故に実際球場で観戦したり、TVで野球中継を見ていても普通に飛び交うこの数値を理解できないと、話しについていけなくなるのだ。
まずは「OPS」から説明しよう。
OPS = On Base Percentage Plus Slugging Percentage、つまり単純に「出塁率+長打率」を表した数字である。
そもそもなぜOPSが一般に認知され、支持されているかというと、簡単に計算できる打力を計る指標の中で、最も信頼性が高いとされているから。
なぜ信頼性が高いかというと、「得点」に対して非常に高い相関性が存在することが立証されているからである。
つまりOPSが高い打者=得点産生能力に優れている。ということになるのだ。
ここに00年~04年までのMLB全体の「チーム打撃成績と、チーム総得点の相関係数を調べた結果」がある。
<打撃部門の指標 / 相関係数>
四球数 / 0.590
本塁打数 / 0.719
打率 / 0.849
出塁率 / 0.910
長打率 / 0.913
OPS / 0.955
産生得点(RC)/ 0.964
本塁打数や打率に対し、出塁率や長打率といった指標の方が、得点に対しての相関係数が高いことがお判り頂けるだろう。さらに出塁率と長打率を合計したOPSは、さらに相関係数が高くなる。
そこで、旧来の打撃タイトル御三家、打率、打点、本塁打の代わりに、新打撃タイトル御三家として、打率、出塁率、長打率が並べられるケースが近年増えてきた。そして前述の通り、出塁率と長打率をそのまま足したものがOPSというわけである。
じゃあOPSがどれぐらいだとすごいのか、という基準だが、およそ、
8割を超えたら一流、
9割を超えたらオールスター級、
10割を超えたら球界を代表する選手。
て感じ。
ちなみに09年のMLBの平均OPSは7割5分0厘である。
同じく09年のトップ3は、(数字は打率/出塁率/長打率の順)
1位: アルバート・プホールズ .327/.443/.658 →OPS 1.101
2位: ジョー・マウアー .365/.444/.587 →OPS 1.031
3位: プリンス・フィールダー .299/.412/.602 →OPS 1.014
となっている。
いずれもそうそうたる顔触れの驚異的な数字だが、ベーブ・ルースに至っては生涯通算のOPSが1.164に達しているし、04年のバリー・ボンズは1シーズンの最高記録となる驚愕の1.422を記録している。
一方で、下記の2選手の昨シーズンの記録を見てみよう。
選手A) .352/.386/.465 →OPS .851はア・リーグ29位)
勘の鋭い皆さんなら既にお気づきだろうが、Aがイチロー、Bが松井の成績である。
打率が高いイチローだが、思いのほか出塁率と長打率が伸びず、OPSは平凡な数字に終わっている。(四球が少ないと批判されるのは、この辺りに事情がある。)
一方松井は平凡な打率だが、OPSでは健闘していると言えよう。
ただ、OPSは”走力”や”守備力”が加味されていない指標ではあるので、一概に選手のトータルな評価に直結するわけではないということも留意されたい。
続く。。。
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