2010年3月2日火曜日

その名の通り (その1)

野球チームの名称やニックネームは数限りないが、あれは一体どこからきてどのように定着していったのだろうか。





※当然チームのニックネームは野球に限った話しではないが、例によってここでは野球についてハナシを進めていきたい。






世界初の野球チームがニッカポッカをはいていたから、ニューヨーク・ニッカポッカーズ(ニックス)と呼ばれていたと言い伝えられているが、当初はその”身なり”からニックネームが付けられていったと推測するのが全うだろう。





いつしか各地にフランチャイズ化されていった野球チームが、「本拠地都市名」に加えて、彼らのユニフォームの「ストッキングの色」でニックネームが付けられていったことは以前説明した。






ご存じボストン・レッドストッキングス、シカゴ・ホワイトストッキングスを始め、シンシナティ・レッドストッキングス(今のシンシナティ・レッズ)、セントルイス・ブラウンストッキングス等々。。。























ちょっと変わったとこだと、デトロイト・タイガースも球団設立当初、ストッキングの色がオレンジとネイビーの縞模様で、それがトラっぽいということで、「タイガース」と名付けられた。(日本人にとってタイガーカラーと言えば、イエロー×ブラックだが、西洋人にとってのタイガーカラーって、オレンジ×ネイビー、もしくはブラックなんだって。)























でもさすがにいつまでも靴下の色だけじゃ、芸が無いだろってことで、そのうち様々なニックネームが流行っていったが、そのいずれにしろチームが自ら「こう呼んでください!」って決めたものではなく、ファンや地元の人など、第三者によっていつのまにか呼ばれ出していったというほうが正確らしい。






まあ、人間に置き換えればそうだよね。ニックネームって、自分から僕をこう呼んでくれ!っていうより、いつのまにか周りからそう呼ばれて定着するってもんだと思う。






例えば、丘の上に球場があったニューヨーク・ハイランダーズ(NYヤンキースの前身チーム)、背の大きな輩が多かったニューヨーク・ジャイアンツなど。
























ちなみに当時のハイランダーズの本拠地球場はマンハッタンで最も海抜から高い場所に位置していたらしく、その名の通り『ヒルトップ・パーク』と呼ばれていたが、その後本拠地をポロ・グラウンズに移転したあたりからハイランダースではなく、「ヤンキース」というニックネームが定着していったらしい。






















だってもう丘の上にいないじゃんみたいな。






尚、「ヤンキー」を辞書で引くと、”南北戦争時の北軍の軍人”、”アメリカ北東部地方の住人”、などと記載されているが、広義では”アメリカ人そのもの”を指す用語だ。厳密に言えば、オランダからの移民が、イギリスからの移民を「あいつら」と呼ぶ際に「ヤンキー」という呼び方をしたとも言われている。





かつてニューヨークにあったもう一つのチーム、ブルックリン・ドジャースに関しては、ブルックリンにあった路面電車(トロリー)をタダ乗りする輩たちを「トロリー・ドジャー」と呼び、結局それがそのままチーム名に定着してしまった。



























もともとドジャースはブルーカラーの人々をレペゼンしてたからなのか(だからチームカラーもブルーなんだけど)、あまりカッコいいニックネームを付けられなかったのだろうか。ニューヨーカーが、ブルックリンの人々をちょっと差別的に馬鹿にして呼んでたようなもんで。


























そこでドジャースは何度も違うニックネーム、例えばキングスやロビンスとかを提唱したらしいが、あまりにもドジャースがハマりすぎて、以後変更されることなく今日まで至っている。まあ、結果的には世界中でも指折りに有名なチームの一つにまでなったのだが。





ちょっと面白くなってきたところで、また次回。その他のチーム名(ニックネーム)の由来について、紐解いていきたい。

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