第8位/エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム
- ホーム :ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム
- オープン:1966年
- デザイン:Noble W. Herzberg and Associates
- 収容人数:45,957人
意外にもメジャー30球場の中で4番目に古い現役球場である(ア・リーグではボストンのフェンウェイ・パークに次いで2番目に古い)。
元々ドジャースタジアムで居候の身だったエンゼルスの為に、66年に専用球場として建設されたが、80年代にはNFLのラムズが流入してきてフットボール兼用スタジアムへ改築される不幸に見舞われた。
しかし97年にチームのオーナーシップがウォルト・ディズニー社に譲渡されるや状況が一変する。
エンターテインメント界の雄・ディズニーによる演出と、ボールパーク界の魔術師ことHOK社のノウハウが融合した大型リノベーションが実現し、辛気臭かった老いぼれスタジアムは、見事子供から大人まで楽しめるボールパークに生まれ変わった。
アメフト用に増築された左中間のスタンドは根こそぎ取り除かれ、代わりにビックサンダーマウンテンを連想させるような岩山を設置、普段は小川が流れ、エンゼルスのHR時には花火と噴水がブチ上がるシカケ。この岩山、表から見ると分かりにくいが、外野コンコースから背後に周るとアルファベットの「A」を型取られている事がしっかりと確認できる。
同じく左中間(現在の照明がある位置)に鎮座していた「ビックAサイン」が代わりに球場横のハイウェイ沿いに移転され、今もアナハイムのランドマークとして余生を送っている。
個人的には夏場の試合終了後に行われる花火大会がお薦め。球場の照明を全て落とし、左中間の岩山後方に上げる花火は他球場のソレとは比較にならないスケール感で圧倒される。さすがディズニー仕込みの演出と唸らずにはいられない。チームのホームページで試合スケジュールをチェックする際は「Fire Works」の注意書きを見落とさず、是非狙って観戦計画を立てて頂きたい。あ、あとココは三塁側がホームだから、座席に拘る人は気を付けて。
ディズニーは既にチームのオーナーシップからは退いてるものの、現オーナー、アルトゥーノ・モレノ氏(MLB史上ヒスパニック系初の球団オーナー)による地道なマーケティング活動が実り、見事2009年にはESPNによる「北米4大スポーツ全122チームの中でのベストフランチャイズ」の栄誉にも選ばれた。
「ボールパークとはどうあるべきか?」この辺の方向性の打ち出し方が非常に分かりやすくて、ほぼ同年代で年々老いていく雰囲気のドジャースタジアムよりも個人的には好き。
近隣にはディズニーランドはもちろん、ちょっと車を飛ばせばユニバーサルスタジオ、ナッツベリーファーム等のテーマパークには事欠かず、ニューポートビーチやハンティントンビーチ、大型ショッピングモールやアウトレットで買い物天国でもある。こんな”ザ・アメリカ”を満喫したい人にとって、ベストなロケーションと言えるだろう。
球場自体の完成度やクオリティーは昨今の新球場たちには到底かなわないかも知れないが、基本的な”ボールパーク”に必要とされるものは揃っている。
何よりLA特有のカラッとした空気、のどかな夕暮れの風景、熱狂的だが決して下品では無いファンが作りだす雰囲気が見事に融合し、球場全体をウェッサ~イな空気が包みこむ。何とも居心地のいい球場である。
まあ、ココがオレンジカウンティじゃなければランクインはしてないけどね!
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