2008年3月19日水曜日

荒野の要塞

リバプールから、テキサスへ、今日はテキサスレンジャースの本拠地レンジャース・ボールパーク・イン・アーリントン(以下レンジャース・ボールパーク)について話をしよう。



かつてはアメリクエスト・フィールド・イン・アーリントンという名前だったが、アメリクエスト社の業績不振によりネーミングライツが解除され、現在の呼び名に落ち着いている。


ここも90年代に突如始まった新球場建設ブームに乗っかり作られた新しい球場。

以前詳しく説明した典型的なネオクラシック主義(古き良き時代のボールパークの面影を残しつつ、最新鋭の設備を搭載した球場を作ろうというコンセプト)だが、意外にもあのカリスマ設計事務所HOKの作品ではない。HKSという地元ダラスベースの設計事務所による作品。



















90年代以降に建設された10以上の新球場で、HOKの作品ではないのは恐らくココとセーフコ・フィールドくらい。とはいっても随所に当時の流行(ネオクラシック主義)が取り入れられている。




左右非対称の外野フェンス。フェンウェイ・パークを模したような”敢えて”手動式のスコアボード。ライトの屋根付スタンドも旧タイガー・スタジアムを模したと思しきレトロな作り。また、ホームランポールも旧スタジアムから受け継がれたものを使用しているらしい












とは言うものの、外野スタンドが高いこと、センターの白い建物(中は球団事務所と一般の賃貸オフィス)によって妙に圧迫感があり、開放感が無い。360°高い壁に囲まれているような気がする。キレイな球場であるには間違いないのだが、そこが残念。











球場の周りにはビックリするくらいホント何も無く、公共交通機関すら通ってない。だだっ広い荒野にポツンと、まるで要塞のような重厚な作りの球場が。そんな感じである。














試合終了後、球場の周りでタクシーを拾うのも一苦労。歩けど歩けどレストランやカフェなんかも見つからないので、ここアーリントンではレンタカーがマストアイテムだと気づいたのはようやくその頃。



という訳であまり観戦にはお薦めしないが、球場内に併設されているレンジャース野球博物館は必見。地元テキサスが生んだ稀代の剛速球投手ノーラン・ライアンなどのレジェンドに混じって、まだ現役のイバン・ロドリゲスやA-Rodのアイテムも。気が早すぎる。
















ちなみにサミー・ソーサは2006年、レンジャース在籍中に600号HRを放ったのだが、そのコーナーがこちら。















                              何故か記念式典では当時チームメイトだった大塚晶則がやたらフィーチャーされていたようだが、実はソーサの放った600号HRをたまたま当時ブルペンにいた大塚がキャッチしたらしい。


















ちなみにソーサ600号記念のバットを良く見ると、ケニー・ロフトンの名前が。これまた当時チームメートだったロフトンに借りたバットで打ったらしい。



そんなしょうもないトリビアを見つける度に、あぁ野球刑事をやっていて良かった、なんて思いに浸るのである。


テキサス・アーリントンのハナシはまた次回、もう少しだけ続く。。。

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