2008年4月10日木曜日

ハート・オブ・アメリカ

我らが野茂がロイヤルズホームのカンザスシティで念願のメジャー復帰登板を果たした。さらに対戦相手は松井秀も所属するヤンキースときたら、日本のマスコミ向けの話題性も抜群である。投球内容はともあれ、非常に喜ばしいNewsであった。


















しかしそれだけではない。「カンザスシティ」という場所がとても重要な意味合いを持つのだ。ということで普段はあまりクローズアップされない、マイナー都市・カンザスシティから野球のハナシを広げて行きたいと思う。




尚、タイトルの”Heart Of America” はカンザスシティのニックネーム。アメリカの中心に同市が位置していることから。。。



以前は「メジャーリーグで日本人対決!」なんて大々的にマスコミに取り上げられていた話題も、これだけ日本人選手のメジャー進出が盛んになると、ほぼ毎日どこかでそんな対決を見れる今日この頃である。



そんな今日の状況を作り上げたといっても過言ではないパイオニア、野茂の存在。




野茂が日本人選手・ファンとメジャーの距離を劇的に縮めてくれたのは今更言うまでもないが、それ以前にそもそも我々”有色人種”のメジャー参加のキッカケを作ってくれたのはご存知ジャッキー・ロビンソン。


















ロビンソンは”黒人初のメジャーリーガー”という触れ込みでお馴染みだが、”有色人種初のメジャーリーガー”といった方が正確である。



なぜなら、元来白人のみがプレーしていたメジャーリーグを、黒人だけに留まらない、今日のような多国籍プレイヤーのるつぼへと変貌させるキッカケを作ったパイオニアであるから。




意外と知られていないが、かつてカンザスシティはニグロリーグのメッカであり、現在もニグロリーグ博物館が存在している。ロビンソンもかつてカンザスシティ・モナークスというニグロリーグの強豪チームに所属していた。後にメジャーデビューを果たす伝説の大投手、サチェル・ペイジもモナークス出身。



















余談だが、昨年デカが初めてカンザスシティを訪れた際に、ニグロリーグ博物館を捜査する予定だったのだが、あえなく当日は休館日・・・博物館が休むなよ。と思った苦い経験がある。今夏は休館日(毎週月曜)をチェックした上で、再チャレンジする予定である。




さて、、、これもあまり知られていない事実だが、そもそもロビンソンをメジャーにスカウトしたのは当時ブルックリン・ドジャースのスカウトだった、ジョージ・シスラーと言われている。




何を隠そうシスラーは、イチローに2004年に破られるまで、メジャー年間最多安打の記録を80年以上も保持していた男。(右はイチローとシスラーの娘)


















あの時シスラーがロビンソンをメジャーにスカウトしたことが、黒人を初めとする有色人種のメジャー参加につながり、ひいては80数年後に日本からやって来た天才打者が自らの大記録を破ることに繋がっている・・・




少々押し付けがましいが、これはちょっとしたドラマではないか。




かつてカンザスシティから旅立った一人の若者が歴史を変え、またこれら先人達の礎の上に実現した今日の野茂と松井の対決。そういえば100億ドルの巨額をつぎ込まれてメジャーに行った松坂のデビュー戦もまた、カンザスシティであった。




来週4月15日はジャッキー・ロビンソンデーといって、ロビンソンが61年前にメジャーデビューを果たした日。その辺りのハナシはまた次回。記念日である15日までには何かしらアップデートする予定なので、皆さんも本件に関しての理解とウンチクを深めていただければと思う。

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