人ごみをすり抜けいよいよ場内に入ると、ウワサに違わぬ、グリーンモンスターの迫力、左右非対称極まり無い、気持ち悪い造りに圧倒される。シンメトリーな美しさを追求したリグリー・フィールドとはまさに正反対の趣である。
なぜここまでイビツな造りになったかは今更言うまでも無いが、要は昔のダウンタウンの限られた敷地(区画)に無理やり押し込んで球場を造ったから。周りを全て道路に囲まれたこの図を見ればそのワケが一目瞭然だろう。
早速グリーンモンスターによじ登り、球場を一望する。
球場のキャパが小さいあまり、観客動員が頭打ちになり、ヤケクソでグリーンモンスターの上に席を作ったら、あまりの人気で結果的にはプレミアチケットと化してしまった、”グリーンモンスターシート”。
壁の上にそそり立つだけに、相当狭くて怖いのかと思ったけど、実際は意外と通路や座席は余裕をもった設計になっており、かなり快適な観戦が期待できそう。
しかしこの球場、あまりにもレフト側のグリーンモンスターが有名になりすぎてしまったが、実際はライト側の形状の方が気持ち悪い。
これも知らなかったのだが、実はメジャーで使用されている球場の中で、ホームベースからフェンスまでの距離の”最短”と”最長”がここ、フェンウェイ・パークに共存しているらしい。
”最短”は当然グリーンモンスターがそびえるレフト側かと思っていたが、実はライトポールまでの距離のが短いらしい。事実調べてみると、グリーンモンスターのあるレフトポールまでは94.5mで、ライトポールまでは92mであった。
そしてその最短地点から、フェンスは鬼の湾曲をみせ、”最長”は同じくライト側の『ザ・トライアングル』と呼ばれている地帯で、最深部は128m。
これからはレフト側のグリーンモンスターだけでなく、ライト側にも注目して頂ければと思う。
尚、Fordの看板の、Dの文字の15席下くらいに、1席だけ緑の座席に混じって、赤に染められた座席があるが(見えないか)、これは往年のレジェンド、テッド・ウィリアムスが記録した、フェンウェイにおける球場内史上最長ホームランの落下地点である。
その距離実に153m。ドーピングなんて無かったであろう時代に、恐るべしパワーである。(テッド・ウィリアムズについては後日また機会を作って話したい。)
そうこうしているうちに、いよいよ試合が始まりそうだ。
続く。。。
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