2009年4月27日月曜日

The Business Of Baseball

先日米フォーブス誌が今年の"The Business Of Baseball"を発表した。



これはMLB各チームの資産価値を試算するという毎年お馴染みの企画。




順位は下記の通り。→興味のある方は原文サイトをご参考にして頂きたい。



10位より下と、下位5チームの間の数字は割愛する。(また1ドル=100円とレートを単純化した。)



1. New York Yankees (1,500億円)
2. New York Mets (912億円)
3. Boston Red Sox (833億円)
4. Los Angeles Dodgers (722億円)
5. Chicago Cubs (700億円)
6. Los Angeles Angels of Anaheim (509億円)
7. Philadelphia Phillies (496億円)
8. St Louis Cardinals (486億円)
9. San Francisco Giants (471億円)
10. Chicago White Sox (450億円)
11. Atlanta Braves 
12. Houston Astros
13. Seattle Mariners
14. Washington Nationals
15. Texas Rangers
16. San Diego Padres
17. Baltimore Orioles
18. Cleveland Indians
19. Arizona Diamondbacks
20. Colorado Rockies
21. Detroit Tigers
22. Minnesota Twins
23. Toronto Blue Jays
24. Milwaukee Brewers
25. Cincinnati Reds
26. Tampa Bay Rays (320億円)
27. Oakland Athletics (319億円)
28. Kansas City Royals (314億円)
29. Pittsburgh Pirates (288億円)
30. Florida Marlins (277億円)




ご多分にもれず悪の帝国が圧倒的な資産価値を誇り、その後メッツ、レッドソックス、ドジャース、カブスと続く。この5チームは特に抜けていると言えよう。






以降6位のエンゼルスから、30位のマーリンズまでは、なだらかな下降線を描いていく。




しかし過去5年のワールドシリーズ出場チームを見ても、延べ10チームのうち、上記トップ5の中からレッドソックスしか出場を果たしていない。




以前も話したとおり、カネがありゃ勝てるってワケじゃないところが、メジャーリーグ全体の(特に中流、下流チームの)ファンの興味を惹き続けているのだろう。




ひいてはこれが今日のリーグ全体の成功に繋がっていると言える。




また、前回調査からの資産価値の伸び率ベスト5は下記の通り。


1. New York Yankees (115%)
2. New York Mets (111%)
3. Tampa Bay Rays (110%)
4. Chicago Cubs (109%)
5. Minnesota Twins (109%)



ヤンキース、メッツは新球場建設によるスポンサーシップ、プレミアムシート収入の増加が要因に挙げられよう。




昨年ブレイクを果たしたレイズが3位に名を連ねているのも嬉しい。まだまだ発展途上のチームに間違いないが、今後も期待大である。2012年には新球場オープンも予定されているし。








カブスは球団自体が新しいオーナーに売却されたこと、福留を初めとする新しいプレーヤーへの関心、放映権料の整備等が要因に挙げられる。



ツインズは良くわからないけど、2010年にオープン予定の新球場への期待だろうか。




これらはあくまでも短期的視点からの考察であるが、ここで過去、複数回ワールドチャンピオンになったことがあるチームの実績を見てみよう。(6位以下はここでは省略する。)



  1. 【26回】 New York Yankees
  2. 【10回】 St Louis Cardinals
  3. 【9回】 Oakland Athletics
  4. 【7回】 Boston Red Sox
  5. 【6回】 Los Angeles Dodgers
  6. 【5回】 Sanfrancisco Giants, Pitsburg Pirates, Cincinnati Reds



特に、アスレチックス、パイレーツ、レッズは、長い歴史の中で”古豪”というブランドを培っているにも関わらず、それが球団の価値に反映されていないのがちょっと残念に思う。




結局それを考えると、『ビッククラブ=ビックマーケットを本拠地にしていること』という図式が単純に成り立ってしまっているようで。。。



一方でボストンのように、ビックマーケットを本拠地にしていないにも関わらず(2007年時点で全米21番目の大きさの都市)、チームの価値創造に成功しているケースもあり、この辺のマーケティングや、ファン拡大戦略について、追って注目したい。





この辺のハナシって結構面白いと思うのだが、例えばJリーグで言うと、浦和レッズや鹿島アントラーズが成功を収めている一方で、東京をフランチャイズにしているヴェルディが窮地に立たされているように。



しかしマジメな話題は疲れるわ。




その辺のハナシはまたいつか。

2009年4月20日月曜日

キケン

先週末の試合で、阪神・鳥谷の放ったライナー性のホームランボールが、ビールの売り子の女の子の顔面を直撃したというニュース。




重いビールケースを担ぎ、お客さんの注目を引こうと必死だったが故、ボールの行方にまで注意を払えなかったのだろう。




既にいくつかの報道機関で話題になっているが、無事を祈りたい・・・




しかし、今後売り子にヘルメットを義務付ける球場が出てくることは、可能性アリだな。(”ちくわ”という字がなんかヤラシイ。)






失敬。。。




さて、この事件で、先日の楽天の試合を観戦していた男性が、試合観戦中にファールボールを顔面に直撃し、4,400万円の損害賠償を求める訴えを起こした件を思い出した。内容はこう。




プロ野球観戦中にファウル直撃 男性が楽天など提訴
4月7日17時21分配信 産経新聞

仙台市宮城野区のクリネックススタジアム宮城で昨年5月、プロ野球の試合を観戦中にファウルボールが右目に当たり、失明寸前の大けがを負ったとして、宮城県大崎市の税理士の男性(47)が7日、球場を所有する県と球団を運営する株式会社楽天野球団に対し、約4400万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。

訴状によると、男性は昨年5月18日、同球場の3塁側内野席で家族と試合を観戦中、楽天の打者が打ったファウルボールが右目を直撃。右目眼球破裂とまぶたを切る重傷を負い、今年3月23日まで通院治療を行ったが、以前は裸眼で0・3だった視力が0・03まで低下するなど回復しなかったという。

男性が座っていた席には防護ネットなどは張られておらず、ライナー性の打球がそのまま男性の目に当たる形になった。 担当の弁護士によると、男性は「ビールを席の下に置いて顔を上げたら、目の前にボールがあった」と話しているという。





一野球ファンとしては、この訴えに違和感を覚え、請求額の大きさにもビックリしたが、これは妥当な訴えなのだろうか?判例があるなら教えて欲しい。




ネット上で散々議論されているように、この人を批判したり云々ということはあまり興味ないが、しかし、デカはこの案件の結果いかんでは、今後の我々の野球観戦のスタイルまでも変えかねないのでは、と戦々恐々としている。




昨今の通り、ここ数年日本の野球場も工夫を凝らし、出来るだけ選手とファンの距離を近づけたいと躍起になっており、東京ドームや、Yahoo! Japanドーム、札幌ドームのような、いわゆるフィールドに突き出た観客席なんか、ファンにも盛況だ。





特に東京ドームはエキサイトシートの盛況が顕著な為、今シーズンより2列から4列に増設された。




既に述べたとおり、甲子園もファールグランドが狭められ、楽天や、広島といった球場もファンに臨場感を体験してもらうべく、工夫のあとが取れる球場作り、観客席作りをしている。




皆さんも、横浜スタジアムが数年前に内野席の防球ネットを取り除いたのは記憶に新しいだろう。




上記いずれも付け焼刃的なサービス、というイメージは否定できないが、まあファンサービスの為の努力の賜物と言えるだろう。




しかしながらこんな動きに対して、当のファンからNOを突きつけられてしまうとは、いささか気の毒な気もする。




そういやMLBも2008年から1・3塁のベースコーチにもヘルメットの着用を義務付け、先日のWBCもそれに準じたルールが定められた。




高野連、はじめアマチュア野球もその動きに追随している。




キッカケは2007年にマイナーリーグで起きた悲劇。ロッキーズ傘下、ダブルA、タルサ・ドリラーズのベースコーチだったマイク・クールボーが試合中に打球を頭に受け、死亡した件。




尚、マイク・クールボーの兄は、阪神にも在籍したことがある、懐かしの助っ人、スコット・クールボーである。






野球経験者であれば特に硬式ボールの危険性はとうとうと教育されているハズなのだが、是非一般の方にも理解して頂いた上で、楽しく安全な観戦を心得て頂きたい。




そういやかつてマリナーズのオルルッドや、ベイスターズの駒田がヘルメット被りながら守備についていたが、ここまで事態が深刻になれば、今更ながらただのパフォーマンスと笑うことはできまい。 





尚、駒田については、処々都市伝説が流布しているが、結婚して戸籍を確認する時まで自分の名前の読み方を間違っていた、というウワサの方が真実味があってオモシロい。

2009年4月16日木曜日

Welcome Back!!

ジャッキーロビンソンデー。




昨年までは有志で”背番号42”を着用していたが、今年は全チーム、全プレイヤーが42を着用して試合に臨んだ。





詳しくは昨年書いた通りだが、同企画、旗振り役のジュニアが10年ぶりにマリナーズのユニフォームを着て、地元シアトルで放った一発はさすが、役者が違うと唸らされた。





彼自身ちょうどシアトルでの400本目のホームラン。




球場に詰め掛けた観客は、ダイヤモンドを一周するジュニアをスタンディングオベーションで称えた。




かつてシアトルを沸かせたスーパースターが、再び街に帰ってきたことをファンに強く印象付けた。





またイチローも最高の形で復帰戦を飾った。






スターの座は譲れんと言わんばかりの満塁弾・・・





明日にでも塗り替えられるであろう、張本が持つ通算安打記録の云々は今更述べるまでも無いが、イチロー憧れのジュニアと揃って放った一発は、デカにとっても忘れられない記憶となるだろう。





そんな興奮を抑えきれず、今日を以って再び『野球刑事』を復活することにした。また、お付き合い頂ければ幸いである。