2008年4月30日水曜日

球界の至宝 (その1)

久々の更新となってしまった。。。





しかし決してサボってたわけではなく、とにかくこの10日間ほどは毎日色々な人と野球の話題に花を咲かせた。まさに地道な聞き込み捜査の連続。





という訳で今はトピック満載で、何から話そうかなんて思いを廻らせている訳だが、久々に球場のハナシをしていきたいと思う。





先日メジャー通のお坂東さんと、我が草野球チームのビック・パピーこと小鳥さんと飲んでいた時のこと、ふとメジャーリーグ観戦旅行の話題に。





どこそこに行ってみたい!なんて会話をしていたら、何でも小鳥さんはワシントンDCに知り合いがいるらしく、今年中にでも訪問の可能性ありとのこと。というわけで今日はボルチモアの本拠地、オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズについて。





本ブログではこれまで、いくつかの素晴らしい野球場を紹介してきたが、ココはまさに「本命」とも言うべき名所。





ボルチモアと言ってもいまいちピンとこないかも知れないが、日本からだとDCに直行便で飛び、そのままバスかレンタカーで1時間強の場所。タクシーで120ドル程度だったと記憶している。いずれにせよDCを拠点にした場合でも、十分日帰りが可能な都市である。





街の観光名所、インナーハーバーに代表される”のどかな港町”といった印象が強いが、意外にも全米でも屈指の犯罪多発都市として知られているため、訪問の際には注意が必要。














というわけでホテルはケチって郊外にすることなく、出来るだけダウンタウンの中に、出来ればDCにステイすることをお勧めしたい。





当然のことながら、買い物や観光は最小限に。ボルチモアが生んだ野球史における最大のスター、ベーブ・ルースの生家(兼博物館)が球場から至近距離のため必見。強いて言えばそれくらい。

















しかし、、、全米中の野球業界、野球ファンの度肝を抜き、”ボールパーク観”を根底から覆したこの美しい球場を見に行く価値は、十二分にあると思う。。。




















続く。。。

2008年4月21日月曜日

無念

今シーズン野茂のメジャー登板3試合のうち、2試合はライブで見ていたが、明らかに急速が足らなく、コントロールが不安定なのも分かっていた。




面白いように打ち込まれるし、とても見ていて辛かった。




確かに味方のエラー等でピンチを広げるなど不運な場面は多々あったが、それにしても140km/h弱のストレートとフォークしか球種無いのであれば、並みいるメジャーの強打者を圧倒することは出来ない。面白いように三振を奪いまくっていた、全盛期の野茂を知っているデカ世代にとっては何とも口惜しかったはず。




解雇のニュースは残念でならなかったが、野茂がまたコテンパに打ち込まれる姿を見るのも、それはそれで辛かったとも思う。




しかし今シーズンたった3試合しか登板して無いのに、そのうち2試合でイチロー、松井の両選手と直接対決出来たのには何か運命というか巡り合わせを感じた。
















しかも両選手から三振を奪ってるし。




特にイチローを三振に斬った後、ダグアウトに向かって歩く野茂が若干、ホントに若干ほくそ笑んでいたのが気になった。




滅多に三振しないイチローが三振するようなメチャクチャ切れのある球を投げていたとは思わないのだが・・・




一方イチローも”わざ”と三振するようなことはしないと思うし、野茂は何か特別な球を投じたのだろうか?




そういやイチローのプロ入り初ホームランは野茂から打ったというのは有名なエピソードだが、調べてみると1993年のこと(もちろん鈴木一郎時代)。あれから何と15年!お互いの道を歩み続け、ここでまた対戦出来たことに運命を感じたのだろうか。




孤高の2人のみぞ知る世界、到底デカの捜査も及ばない次元である。。。

2008年4月17日木曜日

皮肉な結果

黒人メジャーリーガーの減少については、ジャッキー・ロビンソンDAYの翌日のサンスポやスポニチでも記事として取り上げられていた。




今年の黒人メジャーリーガーの割合は8.2%。過去20年間で最低を記録した。およそ20~30年前には30%近くを占めていたというから、その減少ぶりといったら凄まじい。




いやいや、メジャーリーガーは今でも黒人だらけじゃないかという指摘もあろうかと思うが、メディアを含め巷で言われている「黒人」とはいわゆる”アフリカン・アメリカン(アフリカ系アメリカ人)”のことで、南米出身の選手はこの限りではない。とされている。




例えば今日のレッドソックスvsヤンキース戦のラインナップを見てみよう。ラミレス、オルティス、A-ROD、カノー、アブレイユ、リベラ、みんな肌は黒いが、アフリカ系アメリカ人ではない。
















彼らはプエルトリコ、ヴェネズエラ、ドミニカ、パナマ等の出身、及びその血を受け継いでいる選手であり、先の記事で言われている、いわゆる「黒人」には当てはまらない。



ジャッキー・ロビンソンがメジャーデビューを果たしたのを境に、その後ウイリー・メイズ、ハンク・アーロン、レジー・ジャクソンといった幾多の黒人スター選手が誕生した。















彼ら黒人選手がメジャーリーグ全体のレベルを押し上げてきた事は事実であるし、例えば黒人選手の登用に最後まで消極的だったと言われているレッドソックスなんか、早い段階から黒人選手を登用していたら80年以上もワールドチャンピオンから遠ざかることは無かったとさえ言われている。





ところが現状はどうだろう。





確かにゲーリー・シェフィールドやトリー・ハンターのように一線級で活躍している黒人選手もいるが、中々メジャー全体を見渡しても、アイコン的な黒人スター選手を見つけることは難しい。





皆さんもお馴染の、ケン・グリフィーJrやバリー・ボンズを最後に黒人スター選手の譜系が途切れようとしている。
















強いて挙げるなら、ナショナルリーグのプリンス・フィルダーやライアン・ハワード辺りはスター候補と言ったところだろう。
















もはや黒人キッズの憧れはメジャーリーガーではなく、NBAやNFLのスター選手であると言われている。



















だからこそ、ジャッキー・ロビンソンDAYなんかのイベントは、先の偉人の栄誉を称えつつ、「黒人層へのマーケティング活動」の一環として利用されているのだ、という確信的な事実をここで報告したい。




しかし、かつてはメジャーリーグから遠ざけられていた存在の黒人が、今は逆にメジャーリーグを遠ざけていると言う現状は何ともアイロニーである。

2008年4月14日月曜日

42

ちょうど61年前の4月15日、ジャッキー・ロビンソンが有色人種初のメジャーデビューを果たした。



















その手の文献を読むと、厳密には1800年代にもメジャーリーグでプレーした黒人選手がいたらしいので、この見解には異論を唱えている人もいるらしい。




しかしながらロビンソンが黒人及び、すべての有色人種プレーヤーの為の道を切り開いていったパイオニアである、ということを否定する人はいない。




デビュー当初は、敵チームだけではなく、時には味方チーム、ファン、メディアから、相当な差別、嫌がらせを受けたことは想像に難く無い。それでも報復行為に出ることなく、紳士に勇敢に立ち向かい、やがてその姿が人々の共感を呼ぶことに。




その後幾多のフォローワーを生み、今日のメジャーリーグの発展、国や人種を越えたワールドワイドな認知、人気に繋がっている。



少々雑なまとめではあるが、かくしてロビンソンの功績は計り知れない。



そんな功績を称え、ロビンソンのデビューから50周年(今から11年前)に、ロビンソンの背番号、「42」が全てのMLBのチームで永久欠番に指定された。







現在、現役で背番号42をつけているのは、制定前から活躍していたヤンキースのリベラだけ。確か。




故に、日本に来た助っ人は好んで背番号42を選びたがるなんて話も聞く。アメリカじゃ付けられないから。巨人のクルーンなんかそうなんだろうか。余談だが、我が草野球チームの背番号42を調べてみたら、なんと現在ロースクールに通うあの先輩。うんちQの後輩に当たる。




でもって昨年の4月15日にはロビンソンのメジャーデビュー60周年を記念して、当日限定であらゆる選手が有志で背番号42をつけてプレーした。発起人はケン・グリフィーJrだったらしいが、ボンズやジーター(ジーターは白人と黒人のハーフである)なんかも賛同し、その輪が広がったそうだ。












LAドジャースやカージナルスなんかは肌の色や人種を問わず、チーム全員が背番号42でプレーしたが、本件については日本でも少なからず報道はあったと記憶している。ドジャースは明日もブルックリン時代のユニフォームに42番をつけてプレーするとか、来場したキッズに42番のユニフォームをギブアウェイするような企画を練っているらしい。













かくしてグリフィーやドジャースのように、影響力のある選手やチームを中心に、メジャー全体がもう一度ロビンソンの功績を称えよう、という風潮が”近年になって”特に高まっている。



何故か?




実は「黒人の野球離れ」が近年メジャーリーグにとって深刻な問題となっており、その現状を打開するキッカケにしたいのではとの見方もある。(”黒人”といっても厳密に言うと”アフリカン・アメリカン”といったほうが的確である。)





そのあたりのハナシはまだ次回。。。

2008年4月10日木曜日

ハート・オブ・アメリカ

我らが野茂がロイヤルズホームのカンザスシティで念願のメジャー復帰登板を果たした。さらに対戦相手は松井秀も所属するヤンキースときたら、日本のマスコミ向けの話題性も抜群である。投球内容はともあれ、非常に喜ばしいNewsであった。


















しかしそれだけではない。「カンザスシティ」という場所がとても重要な意味合いを持つのだ。ということで普段はあまりクローズアップされない、マイナー都市・カンザスシティから野球のハナシを広げて行きたいと思う。




尚、タイトルの”Heart Of America” はカンザスシティのニックネーム。アメリカの中心に同市が位置していることから。。。



以前は「メジャーリーグで日本人対決!」なんて大々的にマスコミに取り上げられていた話題も、これだけ日本人選手のメジャー進出が盛んになると、ほぼ毎日どこかでそんな対決を見れる今日この頃である。



そんな今日の状況を作り上げたといっても過言ではないパイオニア、野茂の存在。




野茂が日本人選手・ファンとメジャーの距離を劇的に縮めてくれたのは今更言うまでもないが、それ以前にそもそも我々”有色人種”のメジャー参加のキッカケを作ってくれたのはご存知ジャッキー・ロビンソン。


















ロビンソンは”黒人初のメジャーリーガー”という触れ込みでお馴染みだが、”有色人種初のメジャーリーガー”といった方が正確である。



なぜなら、元来白人のみがプレーしていたメジャーリーグを、黒人だけに留まらない、今日のような多国籍プレイヤーのるつぼへと変貌させるキッカケを作ったパイオニアであるから。




意外と知られていないが、かつてカンザスシティはニグロリーグのメッカであり、現在もニグロリーグ博物館が存在している。ロビンソンもかつてカンザスシティ・モナークスというニグロリーグの強豪チームに所属していた。後にメジャーデビューを果たす伝説の大投手、サチェル・ペイジもモナークス出身。



















余談だが、昨年デカが初めてカンザスシティを訪れた際に、ニグロリーグ博物館を捜査する予定だったのだが、あえなく当日は休館日・・・博物館が休むなよ。と思った苦い経験がある。今夏は休館日(毎週月曜)をチェックした上で、再チャレンジする予定である。




さて、、、これもあまり知られていない事実だが、そもそもロビンソンをメジャーにスカウトしたのは当時ブルックリン・ドジャースのスカウトだった、ジョージ・シスラーと言われている。




何を隠そうシスラーは、イチローに2004年に破られるまで、メジャー年間最多安打の記録を80年以上も保持していた男。(右はイチローとシスラーの娘)


















あの時シスラーがロビンソンをメジャーにスカウトしたことが、黒人を初めとする有色人種のメジャー参加につながり、ひいては80数年後に日本からやって来た天才打者が自らの大記録を破ることに繋がっている・・・




少々押し付けがましいが、これはちょっとしたドラマではないか。




かつてカンザスシティから旅立った一人の若者が歴史を変え、またこれら先人達の礎の上に実現した今日の野茂と松井の対決。そういえば100億ドルの巨額をつぎ込まれてメジャーに行った松坂のデビュー戦もまた、カンザスシティであった。




来週4月15日はジャッキー・ロビンソンデーといって、ロビンソンが61年前にメジャーデビューを果たした日。その辺りのハナシはまた次回。記念日である15日までには何かしらアップデートする予定なので、皆さんも本件に関しての理解とウンチクを深めていただければと思う。

2008年4月4日金曜日

球児の美意識

結局今回のセンバツは、沖縄尚学の見事な圧勝で幕を閉じた。


エースの東浜巨(ひがしはまキョ?じゃなくて、ひがしはまナオ)のしなやかなフォームから繰り出される伸びのあるストレート、低目への制球は大会を通して安定していた。


監督の比嘉公也(ひがこうや、良い名前だ。)は同チームのOBで前回優勝時のエース(1999年センバツ)。


余談だが当時の沖尚のキャプテンは早大→現広島カープの強打者・比嘉寿光。何を隠そう、我らがパパが早慶戦で三振を奪った相手である。


もとい。


この”野球留学”(推薦で全国から有力選手を集めること)全盛の時代に、沖尚が地元出身のメンバーで全国優勝を成し遂げたことは非常に意味があるし、監督もOBとくればまさに純血で勝ち取った勝利と言えよう。スバラシイよね。


と、普通ならココで話しが終わるはずだが、今大会中に興味深い記事を発見したので紹介しよう。




無類のキャップ好きのデカとしては、こんな議論10年前から始めてたが、最近の球児の”曲げっぷり”は目に余る。











この記事ではフィーチャーされていないが、さらにデカが気に入らないのはキャップの前面を垂直に立てる行為。更にわざとキャップの上部にクボミを作る。よく高校球児が部室で洗濯バサミでつまんで型をつけているが、これカッコいいの!?


特に優勝投手の東浜君の型は典型的な例。































でもってキャップのクボミが崩れないようにみんなキャップを浅く被るのだ。坊主頭にちょこんと乗っける感じで。経験上このスタイルは野球名門校になればなるほど、顕著に見られることから、以前よりデカは”メイモン型”と呼んでいた。補足するなら、彼らは眉毛も激細だ。



佑ちゃんも早実時代はメイモン型と思しきスタイルだったが、早大入学と同時に影を潜めた。(左が早実時代・クボミが確認できる。一方右は早大入学後・クボミが無い。)
















プロ野球でも、メジャーリーグでもメイモン型は見かけない。これは高校野球のチームに供給されるキャップの型にも影響されているのだと思うが、いずれにしろ高校野球(特に名門校)独自の文化なのだ。



僕らの母校は”いわゆる名門校”では無かったので、メイモン型の奴はいなかった(と記憶している)。しかし名門校になってしまった今、後輩達の美意識が問われている・・・



こんな議論くだらないと思うかもしれないが、気になり出すと気になるので、皆さんも是非メイモン型は取り締まって頂きたい。

2008年4月1日火曜日

球春

ついにMLBも本国で開幕し、いよいよ完全に球春到来と言ったところである。



いよいよ佳境を迎えつつあるセンバツ、楽天の好調、アホ巨人の弱さ、福留の衝撃的なデビュー等は言わずもがな、皆さんも既に各種報道で話題をチェックされていることだろう。



開幕4連敗の巨人に、生観戦したナベツネが激高して「もう二度と見に来ない」なんて言ってたが、ほんとにそのまま二度と来なくていいと思う。



さてそんな中、デカが気になったのは、イチローが今季入場曲に石川さゆりの『天城越え』を使用するというNews。(そもそも入場曲というのもちょっと違和感があるが、海の向こうでは"At bat song / music"と呼ばれている。面倒なので今日は”入場曲”で統一するが。)



これまでもイチローは、YAZAWAや椎名林檎などの邦楽を使ってきたが、演歌ともなると異例中の異例。『天城越え』は3打席目限定で使用する?らしいが、他の打席はMISIAを併用する。さすがイチロー、日本レペゼンである。



野球の場合、どうしても打席に入るまでの尺が限られている為、わざわざ石川がイチローバージョンを制作。和風な鼓の響きとロックテイストが混ざった躍動感あふれる作品に仕上がったそうだ。



是非、注目したい。



その他松坂はEXILE、松井は布袋、岩村もまたYAZAWAなんかを使用する予定。かつて野茂が海を渡った時は、入場曲がスキヤキソング(お約束)だったことを思えば、邦楽もバリエーションが増え、メジャーの世界にかなり進出を果たしたと言えよう。



日米の応援スタイルの違いによるものなのか、プロ野球と比較した場合、メジャーの場合は打席ごとに複数の入場曲を使用することが珍しくない上、毎年コロコロ変える選手が多く、いまいち印象的な入場曲を思い出せない。



その中でも最近インパクトが大きかったのは先生も大好きな『OKAJIMA OKIE-DOKIE』だろう。



個人的に最近カッコ良いと思ったのは、先日東京ドームで見たオルティスの入場曲『Big Poppa』。かのNotorious B.I.G.の永遠のクラシック。



オルティスの愛称「Big Papi」("poppa"も"papi"もお父さんという意味で同義)にちなんでチョイスしたと思われる。風貌も似てなくも無いが・・・
















その他、日本人選手に限らず、南米出身選手はラテン調ソングだったり、地域性が出て面白い。全体的にはハヤリのヒップホップ・R&Bが多い。



また、メジャーリーガーともなるとスターとの付き合いも深いのか、例えばA-RodなんかはマブダチのJay-Z(feat. Linkin Park)の『Numb/Encore』を使用している。



ジーターは元カノのマライアの曲でも使ってたら面白いのにと思ったが、最近はEMINEM等を使用している模様。残念。そういえば今年の日テレ巨人戦中継の主題歌はマライアらしいな。



"At bat song"に見るメジャーリーガーの交友関係と、出身地域の分析なんて考察も意外と面白いかも。今年の野球観戦はそんなところにも是非注目されたい。



音楽のハナシは嫌いじゃないので、またいつかネタがあれば続けていきたい。



最後に、こんなサイトを見つけたのでお暇な方はどうぞ(ちょっと情報は古いが)。