アナハイムの「A」、エンジェルスの「A」を猛烈にレペゼンする、Big-Aサインは今やアナハイムのシンボルとして有名だが、かつては球場の左中間部分に設置されていたもので、改修の際にハイウェイ沿いに移転されたもの。
球団創設以来、ロサンゼルス・エンジェルス→カルフォルニア・エンゼルス、アナハイム・エンゼルスと名前がシックリ固まっていなかったが、現状は『ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム』という長くて回りクドい名称で落ち着いている。
そんなにLAを名乗りたいかと思うが、集客やマーケティング戦略の上で、ブランド力のある、LAドジャースに立ち向かうには、「アナハイム・エンゼルス」じゃちょっと田舎クサすぎるという判断だろう。
(尚、”ロス”は完全な日本語の為、アメリカでは全く通じないので、いかなる場面でもLA(エレェ~)と言うクセをつけておきたい。)
とは言うものの実際そこはLAではなく、アナハイムなワケで、ハッキリ言って球場の周りにはビックリするくらい何も無い。ほかにあるのは、NHLで使用されるアリーナ、ホンダセンターと、ディズニーランドくらい。
てか、そもそもアナハイムはそもそもディズニーの街であり、むしろそっちのが有名で知られている。
事実、世界に名だたるエンターテインメント集団、ウォルト・ディズニーがエンゼルスに経営参画した1997年以降、エンゼルスと、エンゼル・スタジアムは激的な変化(進化)を遂げることになる。
現在ディズニーは経営から退いているが、当時行われた球場の大規模改修や、アトラクション、エンターテインメント性の向上は今のエンゼルス人気に大きく貢献したと言えよう。
左中間にそびえる有名な岩山からは滝が流れ、エンゼルスの選手がホームランを放つと噴水と花火が同時に吹き上がるような演出はまさにディズニー仕込み。
(尚、岩は”人知れず”アルファベットの「A」のカタチをしているが、裏手に回るとそれが良く分かる。)
97年の大改修はかの大御所、HOK(社名変更して今はPopulous社になった)が手がけ、また近年もLEDを使用した映像設備の導入等に力を入れており、場内はこれぞ”メジャーリーグのボールパーク”っぽい華やかで近代的な雰囲気が漂う。
しかしながら、意外や意外、ここエンゼルスタジアムはメジャーの現役で使用されている30球場の中でも4番目に古い球場であり、これはボストンのフェンウェイパーク、シカゴのリグリー・フィールド、同じくLAのドジャースタジアムに次ぐものである。
確かに薄暗いコンコースや、品揃えがイマイチなチームストア、地味な形の照明等、辛気臭い部分はあるが、試合開始間近になれば地元ファンがスタンドを真っ赤に染め、今年も地区を独走するチームを後押しする。
チームマスコットは無いものの、6回終了時点でエンゼルスが同点、もしくは負けている場合のみ登場する、架空のマスコットRally Monkey(ラリーモンキー)は運がよければ出くわせる。
彼が登場するとチームは途端に勝ち越し、もしくは逆転するというジンクスがある。観戦の際には是非ご注目いただきたい。
小腹が空いたら、地元を中心に展開するアメリカンダイナーチェーン『RUBY's』や、オレンジチキンでお馴染みの『PANDA EXPRESS』等々、ローカルで個性的な面々が場内にも店舗を構える為、訪れてみるのも悪くない。
いずれにしろ過去5年で4回地区優勝を果たし(多分今年も地区優勝だろう)、今やリーグ屈指の強豪にまで上りつめたエンゼルスは黄金時代を迎えつつあり、一見の価値はあるだろう。
さらにチームの好調に加え、来年には同球場でMLBオールスターゲームが開催されることが既に決定している。
高まる地元ファンの”野球熱”に触れられるということは、メジャーリーグ観戦において最も重要なファクターのうちの一つであるということを最後に付け足しておきたい。
カラっとしたカリフォルニャンな空の下、熱狂的なファンに囲まれ、ライトなビールとジャンクフードをお供に、ベースボールを思いっきり満喫できることは請け合いだ。(しかし、Tシャツやタンクトップ1枚で観戦する地元ファンに惑わされず、くれぐれも防寒対策だけは必要以上にされたい。。。)
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